家庭教師を20年続けてわかった「ぐんぐん伸びる子」の育て方と習慣

家庭教師を始めて20年近くなります。小学生から高校生を対象として、年に50人前後の指導にあたっています。指導する科目は、主に理系教科、算数・数学、化学、物理ですが、理系的発想での国語や英語指導の依頼も多いです。

親御さんともよく話すのですが、「どうしてうちの子は全然伸びないのでしょうか・・・」「家ではどういう学習をさせればいいんでしょうか・・・」と悩んでいる方も非常に多いです。日本が何だかんだで学歴社会ですので、致し方ないと思います。

一般的に、家庭教師と言えば、勉強だけをみて志望校に合格させるものと思いがちですが、大抵の子は学校、家庭、そして友達に関してなど様々な悩みを1人で抱え込んでいます。ですから、学習指導と同時に心のケアが非常に重要だと感じています。

そんな私の経験から優秀な子に育ってもらうために絶対にやっておいた方がいいことなど、子供の勉強に悩んでいる人が参考になればと思います。

1.伸びる子と伸びない子の傾向

1-1.伸びる子の傾向

10年近く家庭教師をしていると、「伸びる子」「伸びない子」というものにある傾向があることがわかります。

まず、はっきり言えるのは、結果が出せた子の共通点は、ずば抜けて「頭がいい子」ではなく、目的意識があって、反復習慣が身についている「継続できる子」だということです。

どの子も、幼少期から何かしらの習い事をしていました。ピアノ、英会話、スイミング、書道、算盤、少林寺といったものです。しかも10年近く続けて習っています。これは子ども本人だけでなく、サポートする家庭環境も整っているとも言えます。

私が初回指導に入るときに、保護者を交えて簡単な面談を行います。継続して行っていた、行っていることがあるか、将来の夢、志望校、といったことをメインに話を進めます。親子ともども「基本的なことはわかっていて、できている」という判断はこの継続する力があると判断できた時に行っています。そして、将来どうなりたいか、何がしたいかなどを話していきます。この時に、例え拙くても自分の言葉で伝えられる子どもであれば、後々自分自身で納得いく結果が出せています。

1-2.伸びない子の傾向

では、逆に「伸びない子」、途中で勉強することを辞めてしまう子に共通することは、勉強をやらされているという意識が強い子です。

「今度のテストが悪かったら塾に入れるよ、家庭教師をつけるよ」などと、あたかも罰のように勉強を強いられてきた場合は、なかなか自主的に勉強するという流れはそう簡単に身に付かないです。そもそもこういったケースの場合は勉強が好きではなくなっています。勉強はつらい事、怒られるものという図式が成り立ってしまっています。

また、伸びない子の多くのケースに、志望校が実際の成績とものすごくかけ離れている場合があります。特に志望理由があいまいな場合は大変です。決まってあまりやる気を感じません。まるで操り人形のようで良い子です。志望校が彼らのとっては非常にハードルが高いので、やらなければならないことも必然的に多くなりますし、難易度も高いです。当然の流れとして、やらなくなります。

こうなると、やらない理由を私にだけ話し始めます。「お母さんがそこの高校に行ってというだけで、私はみんなと同じ高校に行きたい」と。こうなってしまうと保護者との話し合いの場を設けて、今後の話をしなくてはならなくなりますが、大抵母親はご立腹です。しかし、時間をとって、母親と話し合いながら、自分の志望校に行く!という目標を勝ち取れば、一気にやる気を出すので、学力も伸びてきます。

2.優秀な子になるために絶対にやっておくべきこと

親として優秀な子になってもらうために絶対に外せない条件をお伝えします。それか下記3つに絞られます。

  1. 生活習慣を身につける
  2. 食生活に気をつける
  3. 本を読む習慣をつける
  4. 何か習い事をする
  5. ストレスをコントロールする

2-1.生活習慣を身につける

三つ子の魂百まで、というように基本的な生活習慣は三歳までに身につけさせておいた方が良いです。

例えば、靴を揃えるという一見何気ない行動ですが、脱いだ靴を揃えるという行為は、自分のしたことを振り返るということにつながります。また次に靴を履くときに履きやすいように揃えるということから、先のことを考えられる子になるということにつながっていきます。

2-2.食生活に気をつける

できるだけ、手をかけて作ったものを食べさせて育てた方が良いです。食事を作るのにもある程度時間と労力がかかります。その時間が子どもの我慢強さに影響を与えています。

買って食べる、ということで育てられている子どもは決まって忍耐力がついていないです。買って食べると言う事は、すぐに結果が出ることと同じなので、何でもすぐに結果を求める傾向が強くなります。だから結果がすぐに出ないことは長続きしない傾向が強いのです。

またジャンクフードや砂糖の多い物は集中力をなくさせたり、脳の機能を低下させるので、小さい頃から味を覚えさせないように極力与えないようにした方がよいです。

2-3.本を読む習慣をつける

優秀な子に共通して言えるのは、知識が非常に豊富だということです。大人も驚くくらい物知りな子が大抵名門校のトップにいます。彼らは幼い頃から本を読む習慣があり、小中学校の図書室の本はすべて読破してしまったという話は決して珍しくありません。

決して、本を読みなさい、としつけられた訳ではありません。身近な大人に本を読む習慣があり、それを見て育っているので、本を読むことは彼らにとっては当たり前のことなのです。また幼い時から自分の将来のビジョンがはっきりしている子ほど伝記を読んでいる傾向があります。

2-4.何か習い事をする

習い事は何かしておいた方が良いです。可能であれば、なるべく早い時期から始め、長期間継続できるものが良いかと思います。ピアノ、算盤、スイミングは比較的成績の良い子の多くが習っています。どれも、右脳の発達を促すものです。

もし、何か1つだけ習い事をさせるのであれば、ピアノが一番良いです。両手、両足、それぞれを別々に動かすというものは他にあまり見当たりません。また楽譜を記憶すること、先読みすることが脳に与える影響が物凄く良いです。

2-5.ストレスをコントロールする

盲点ですが、親のストレスが子どもの学力の伸びに影響をあたえます。子どもは非常に敏感です。普段からうまくストレスを発散するようにコントロールしておくことが重要です。

3.優秀な子になってもらうためにおすすめする本

指導して早く結果が出る「伸びる子」の多くは地アタマが良いです。また、他の子よりも字や数字を覚えること、読むこと、書くことが早かったという特徴があります。

本を読むことは地アタマを良くします。本を読む習慣のある子は語彙力があり、理解している語彙の量が多いです。もし子どもがまだ幼くて、字が読めないのであれば読み聞かせで構いません。

しかし注意が必要です。大抵の子どもはしつこいです。同じ本を何度も読むようにせがみます。それを大人が嫌がっては決していけません。これを繰り返しながら、少しずつ一緒に音読していくのも良いでしょう。

何度も同じ本を読み聞かせていくうちに、子どもはあっという間に本を暗記してしまいます。気がつくと、大人が読み間違えた内容を指摘さえし始めます。字が読めるようになる日も早いです。そして、徐々に1人で本を読むようになってきます。

読書習慣をつけるのであれば、学習漫画は別ですが、漫画本以外の本であれば読書するものとして何でもよいです。できれば、なるべく長編のものであれば尚更良いです。いきなり長編のものはハードルが高いので、徐々に長いものへ移行していくようにすると良いでしょう。

文庫本で500ページを超えるものが読めるということは、ストーリーの構成、展開、登場人物の把握をしながら読むので、全体を把握する力と記憶力を鍛えることができます。この力が早い段階から備わっている子は、国語力が非常に強いので、こちらの指示に対する理解度も早く「伸びていく」ことも非常に早いです。

過去に指導した子どもの中でも、とりわけ理解が早く成績の伸びが早かったお子さんの共通点は、幼いころから伝記や図監が大好きだったということです。読書量全国1ケタのお子さんもいました。

伝記から得た知識は、国語英語の長文読解、社会の成績で顕著に違いが見られますし、何よりも知識の深さがケタ違いです。こちらからの指示がなくても、俗に言う、行間がスラスラ理解できるようです。

4.まとめ

親からの遺伝による先天的な能力は正直なところ否定できません。やはり産まれ持った能力の高い子程学力が伸びていく時のスピードの加速度は大きいものです。しかし、多くの子を見てきて、やはり人間も環境に依存した動物であると多々感じます。

つまり、先天的な能力よりも、後天的なものの影響の方がはるかに大きいです。特に、育った環境と育てている身近な大人の影響がその子のその後の能力に一番影響を与えていると言っても過言ではないかと思います。子どもを見れば、どんな家庭で育ち、どんな大人が育てたかが想像できてしまいます。

いつも感じることですが、子どもは親の鏡です。高校受験、大学受験で時間、金銭、労力がかかる子は、残念ながら子どもの成長過程で身近な大人が子どもにしっかりと向かい合ってきていません。仕事や趣味を優先し、子どもと一緒に過ごす時間が少なく、子どもの食事の準備、学校行事への参加といった、親として子どもにするべき基本的なことをないがしろにしてきた方が非常に多いです。

本が好きな子は、本を読む家庭で育っています。食事の支度もしないで、インターネット、テレビ、そしてスマートホンに夢中になっている親のもとで育った子どもは勉強をあまりしませんし、将来のことも深くは考えません。

自主的に勉強し「伸びる子」にするためには身近にいる大人がしっかりとその子に向き合って、しっかり会話をしていくことです。しっかりと向き合った上で、仕事や趣味をこなしていくのであれば、子どもも目的意識を持って、学習にも意欲的に取り組んでいきます。子どもは親の背中を見て育つのです。